アスパラガスの産地別出荷量と旬について

最近は、1年中、スーパーの店頭でも並んでいるアスパラガスですが、アスパラガスにも「旬」があります、そして地域によっても、アスパラガスの「旬」の時期は異なってきます。

【北海道アスパラガス】

例えば、長い間、日本で最も出荷量の多い地域として君臨してる北海道では、春アスパラの旬として、1年に一回、5月~6月だけ、産直での販売をしているところが少なくありません。(最近はネットなどでも予約受付しているところも多いです。)

長い1年の間でこの時期だけですので、まさに「アスパラガスの旬」と呼ぶにふさわしい季節かもしれませんね。実際に、この時期の北海道のアスパラガスは、かなり美味しい!との声も多く、アスパラガス好きにはたまらない季節です。

では、他の地域はどうでしょうか?下のグラフは農林水産省の2011年のアスパラガスの地域別の出荷数量をシェア別にした当サイトで加工したものです。

graph012013

【長野アスパラガス】

2位の長野も北海道の後を追って、長期間2位を維持していますが、近年は九州勢に追い上げられているという状況です。

長野では、2011年の収穫量は1991年のピーク時の1/3の3050トンとなり、原因として

【引用開始】

・価格の安い輸入品の増加
・生産者の高齢化
・連作障害、病害等の影響

【引用終了】

のようなことが挙げられています。

ただ、筆者は旅行で何度も長野で地場のアスパラガスを食べていますが、長野のアスパラガスは本当に美味しいです。長野産のアスパラガスは地理的にも関東圏での需要も多いと思いますし、課題を克服して、あれだけ美味しい長野アスパラガスには是非とも元気になってくれることを筆者は期待しています!

ちなみに参考にした記事には以下にありますので、興味のある方はご一読頂ければと思います。

長野県におけるアスパラガス生産の概況(pdfファイル)

アスパラガス生産振興へ モデル農家に苗無償提供ー長野ー

【九州勢の躍進】

3位以降ですが、佐賀、長崎、熊本、福岡の九州勢だけで約30%ほどのシェアを占めており、北海道を凌ぎ、地方としては事実上のトップ地方となっています。2011年は震災の影響がありましたが、実はそれ以前から佐賀県などは右肩上がりで販売を伸ばしてきており、九州勢のその”地力”と”勢い”には目を見張るものがあります。

中でも佐賀県は1991年~2011年の20年ほどの期間でアスパラガスの売上をほぼ10倍近くの26億近くまで伸ばしてきており、今後もアスパラガスの清算地域としては目が離せません。

筆者は東京に住んでいますが、佐賀県産のアスパラガスは東京のスーパーでも良く見かけますし、よく食べていますが、美味しいです。

成功の要因につきましては、筆者は佐賀県の販売戦略の工夫や農家さんの努力や関係者の尽力が実った結果であると思います。温暖な気候を利用した栽培方法と長期間に渡る収穫と出荷を実現されています。

佐賀県のアスパラガス栽培に関する記事も参考記事を下記に掲載しておきます。

「日本一のアスパラガスの産地を目指して」佐賀県農業協同組合 園芸部野菜花き課 北御門 聖二

【まとめ】

北海道・東北勢、長野県、九州勢が凌ぎを削っている日本のアスパラガスの生産ですが、統計では、海外からの低価格の輸入アスパラガスの販売が伸びているというデータもあります。

日本勢のアスパラガスの生産には今後も筆者は大いに期待していますが、低価格の輸入品は別としましても、輸入品種にはアスパラガス・ソバージュのようなレアな品種もあり、輸入アスパラガスならではの良さもあると思います。

そういった意味では、一人の消費者とすれば、国内の質の高いアスパラガスと、個性的な輸入アスパラガスが国内市場で多く流通するようになれば、ますますアスパラガスの市場は盛り上がると思います。

そして市場の活性化は、日本のアスパラガス生産における課題として挙げられる国内での消費量の喚起には、追い風になるのではないでしょうか。

ちなみに、当サイトの運営の目的の一つには、国内でのアスパラガス消費拡大に少しでもお役に立つことができれば・・・という思いがあります・・・微力ですが・・・(^^;)

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